CASE
株式会社津田屋
1943年の創業した株式会社津田屋様は、千葉県と神奈川県を中心とした関東圏でカーライフサポート事業を手掛けています。ガソリンスタンド、カー用品店のイエローハット、自動車保険の三本柱で、年商100億円を越える売上全国区レベルの会社様です。
弊社とはリクナビでの新卒採用支援でお取引を重ね、2024年現在で15年以上のお付き合いに。新卒採用での募集職種は、イエローハットのフロアスタッフやピットスタッフ、ガソリンスタンドスタッフ、バックオフィススタッフと多岐にわたりますが、「ほかではやっていないことをやろう」と二人三脚で採用活動に励んだ結果、大成功を収めた年も多々ありました。
しかしながら、社内の人的リソース不足、少子化による母集団形成の難航、コロナ禍での価値観・採用手法の変化など、内的・外的のさまざまな要因から新卒採用活動を大幅に見直す時期を迎えていらっしゃいました。
今回はそんな津田屋様の新卒採用の”リスタート”を、包括的に支援させていただいた事例をご紹介します。弊社とのこれまでの歩みや新たなチャレンジについて、株式会社津田屋 阿部様、 そして弊社営業担当の北川に話を聞きました。
リスタートの話の前に、当社とのこれまでのお付き合いを振り返ります。
阿部様が前任者から新卒採用業務を引き継いだのは15年ほど前。弊社は前任者の時代から新卒採用をお手伝いしていました。担当変更に合わせて広告代理店を変更するケースが多い中、阿部様が弊社とお付き合いを続けてくださった決め手は「津田屋のことを理解して提案してくれる。それに一緒にアイデアを出してくれますし、“わがまま”を聞いてくれます。とにかく柔軟に対応してくれるのがトラコムさんの一番の良さ」だそう。
阿部様と弊社の合言葉は「ほかでやっていないことをやろう」。固定概念にとらわれない阿部様のアイデア、お言葉を借りれば”わがままなアイデア”を一緒に実現してきました。
たとえば、車好きの学生をターゲットにした車面接。マイカーで来社してもらい、面接では車をどれだけ好きで、なぜその車に乗っているのかを語ってもらいます。狙いは、車への情熱と論理的に説明できる力を見極めることでした。
ほかにも、社内の雰囲気・人間関係の良さをアピールするために、居酒屋で説明会を開催しているような写真をリクナビに掲載。しかも、撮影場所は本当の居酒屋です。テーブル席の片側にはメニューに見立てた会社パンフレット持つ阿部様と、指示棒でパンフレットを指すマネージャー。対面には学生に扮した若手社員2名。居酒屋ですからテーブルの上にはもちろんビールがあり、和やかな雰囲気で飲み交わしながら会話をしている構図です。
どちらも多くの学生から注目を集め、ターゲット通りの人材を何人も採用できました。
実は、津田屋様には採用専属チームがありません。阿部様は労務との兼任で採用関連業務に取り組んでいました。少子化により学生の数は年々減少し、採用活動はより一層の工夫が必要に。それはつまり、業務に割く時間と負担の増加を意味します。現体制のままでは限界がある。加えて、生活様式の変化によってWEB説明会・面接が主流になるなど採用市場も大きな変化を迎えていました。
そんな時、ほかの広告代理店より採用活動のアウトソーシングを提案されます。そこで弊社もリクナビでの新卒採用支援に留まらず、採用活動全体を伴走するご提案をしました。
そうして他社との競合の末、引き続きお取引していただけることに。ここから、リクナビを扱う媒体屋ではなく、採用活動を包括的に支援する採用パートナーとして新たなお付き合いが始まりました。
営業担当の北川がまず行ったのは、採用活動における会社の魅力や課題の洗い出しです。
「同業他社と比較して、正直なところ雇用条件や立地が良いとは言えません。ですが、現場の人の良さ・面倒見の良さは抜群。だからこそ採用活動において注力することは母集団形成ではなく、エントリーしてくれた学生一人ひとりに確実に会社の中身を知ってもらい、選考・内定・入社につなげることでした」。
洗い出しの結果、これまで主に母集団形成を目的として利用していた採用メディアに加えて、流入強化・遷移率UP・応募の動機付けを目的として、ホームページ内の採用特設LPの作成やブログの運用、InstagramなどSNSの活用を新たに開始。
採用特設LP・ブログ・SNSでは、既存のメディアでは伝わりづらい社風や職場の雰囲気、仕事風景、社長様のお人柄などを重点的に訴求します。
採用ターゲットを「車好き(地方在住)」「車好き(近隣在住)」「接客好き(近隣在住)」という3つに分類し、それぞれに対して最適な企画とメディア展開を実施しました。
たとえば、地方出身/在住の車が好きな学生を対象としたインターン企画では、実際の仕事・スタッフと触れ合い雰囲気の良さを感じてもらうとともに、千葉県で働く地理的メリットを伝えます。東京に近いためトレンドを早くキャッチできる一方で、山も海もある自然に恵まれたエリアであること。テーマパークをはじめ、ショッピングモール・コンビニ・スーパーなど商業施設も比較的充実していること。
近隣エリア在住の接客が好きな学生向けには、有給インターンを企画。募集職種の体験に加えて、他店舗・他職種の見学ツアーを通して業界全体の知識を深められたり、参加者には特別選考フローを用意したりします。
阿部様の負担軽減・業務効率化を図るために、説明会の動員やエントリーした学生への細やかな対応は弊社で請け負うことに。
また説明会動画も制作しました。オフラインでの説明会開催は、事前準備や会場の確保、当日のスタッフの手配など、作業的にも金銭的にもコストが掛かります。参加者の数に関わらず毎回同じくらいのコストが掛かるため、費用対効果が良いとは言えません。説明会動画をオンラインで視聴できるようにすることで企業は事前準備の手間やコストが省け、また学生もいつでも視聴できるため、お互いにとってメリットです。
営業担当の北川は言います。
「いくつもの店舗に足を運んで、温かいスタッフさんがたくさんいることを知りました。これは実際に見てもらわないと学生に伝わりません。逆に言えば、見て・感じてもらえればきっと好きになってもらえる。
そこで社風が伝わるショート動画をSNSで発信したり、オフラインの説明会やインターンでは、社員の皆様と学生がコミュニケーションを取りやすい企画を考えたりしました」
本稿の執筆時は、上記した取り組みの真っ最中。まだ最終的なデータは算出できていませんが、現時点で昨年と比べて2倍以上の採用数を獲得しています。阿部様も手応えを語ってくださいました。
「採用数はもちろん、ホームページのPV数や動画の再生数なども良い兆しが見えていますし、同業他社の状況を見るに、弊社はだいぶ健闘していると思います。
時間は掛かると思いますが、若い世代を採用して育てる仕組みづくりを実現して、『津田屋だけ採用活動が順調なのはなぜ?』と競合他社から思われるような状況を作りたいですね。たとえば社内でインフルエンサーを生む、なんてことも面白そうだなと考えています」
弊社についてはこう評してくださいました。
「リクナビのみを依頼していた頃と違って、今は新規採用全体の話し合いをできるようになりましたね。特定のメディアだけでなく、採用特設LPの制作や記事の更新、動画制作などマルチに提案・実行していただいています。
また今の営業担当である北川さんをはじめ、歴代の担当者は皆、自分事として取り組んでくださっている点も信頼がおけます。採用につながれば喜び、説明会に人が集まらなければ悔しがる。自分事じゃないと、そういう感情は生まれないと思うんです。
若い世代の考えや好みを理解したり、採用市場を正しく理解したり。今後もトラコムさんと一緒に、時代の変化に柔軟に適応していかなくてはと思います。…柔軟といえば、採用特設LPの写真や動画撮影の際もわがままを聞いていただきました」
阿部様の言うわがままとは、スタッフの写真・動画撮影を担当するカメラマンの指名でした。
一般的にカメラマンの選定は広告代理店が行います。しかし阿部様は、既存のホームページを作成した際に出会ったカメラマンの仕事ぶりに惚れ込み、今回もぜひその方にとのことでした。
より良いものを作りたい思いは弊社も同じですから、そんなわがままなら進んでご協力します。
撮影当日は写真・動画ともにスムーズに進み、スタッフの皆様のすてきな表情をバッチリ押さえることができました。阿部様のわがままとカメラマンの素晴らしい仕事によって、採用特設LP・動画どちらも期待以上の出来栄えとなりました。
「上司の顔色を窺うよりも、自分がやりたいことをやった方がきっと良い仕事になる。私は常々そう思っていますし、そんな仕事をしてもらえたら共感します」という阿部様の言葉に改めて気を引き締め、トラコムはこれからも採用成功、ひいてはお客様の発展のために力を尽くします。
創業は1943年、種苗業としてスタート。「サービスの追求により地域に貢献する」というスローガンのもと地域の声に耳を傾け、徐々に自動車関連事業へ進出・拡大。現在は石油製品販売のサービスステーション、カー用品販売のイエローハットの運営、損害保険業務といったカーライフサポート事業を展開されています。