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新人の教育にコストや手間をかけられない場合など、採用活動において「即戦力を確保したい」と考える場面は多くあります。
即戦力を確保する手法として注目されているのがキャリア採用です。
本記事では、キャリア採用の動向やメリット・デメリットに触れながら、導入する際のポイントやおすすめの募集方法などについて詳しく解説します。
キャリア採用とは、実務経験のない未経験者を対象とするのではなく、自社が属する「業界」の経験、もしくは募集対象とする「職種」の経験がある人材を対象として採用を行うことです。
キャリア採用では、応募者が過去に所属していた企業の事業内容や、従事していた職種の経験年数などを採用基準として選考を進めます。
冒頭で触れたとおり、キャリア採用は「即戦力の確保」を目的として実施されるのが一般的です。
キャリア採用と混同しがちな言葉に「中途採用」がありますが、こちらはより広い意味で使われます。
中途採用は、特定の業界や職種の経験を求めるキャリア採用と違い、業界や職種を問わず「就業経験」があれば採用対象とするのが一般的です。
多くの場合、就業経験のない学生を対象とした「新卒採用」と対比する言葉として用いられます。
なお昨今では「中途」という単語に否定的なイメージがあるとして、「経験者採用」と呼ばれることも増えているようです。
キャリア採用を導入する企業は増加傾向にあります。
HR総研が実施した2022年度の「キャリア採用に関するアンケート」によれば、「キャリア採用の計画数の増減(前年度比較)」について「増えている」との回答は、従業員数が1,001名以上の大企業で45%、従業員数が301~1,000名の中堅企業では26%、従業員数が300名以下の中小企業では19%。
特に大企業ほどキャリア採用が増えていることが分かります。
また、「キャリア採用で募集している階層」については、「一般社員(中堅層)」が83%と最も多く、次に「係長・主任クラス」で60%、さらに「一般社員(若年層)」が57%などとなっています。
キャリア採用が導入されることが多いのは「専門職」の募集です。
上述したHR総研のアンケート結果を見ても、キャリア採用の募集職種は、「営業職」「IT関連職」「経理・財務」「商品企画・マーケティング」などが上位を占めています。
また「生産技術職」や「研究開発職」と並んで、「AI・データ分析関連職」が上位にあるのも近年ならではの傾向といえるでしょう。
専門職は未経験者から戦力になるレベルになるまで教育するために、多くの時間やコストがかかります。
キャリア採用を導入することで、教育にかかる時間とコストを削減することが可能です。
スピードが求められる昨今のビジネス現場においては特に、キャリア採用によって即戦力を確保し、迅速に効率化を図ることの重要性が高まっているといえます。
キャリア採用を実施する主なメリットには、次のようなものがあります。
以下より、それぞれについて順に解説します。
キャリア採用を実施する大きなメリットは、人的リソースの不足を補い、事業の成長スピードを加速させる即戦力として、有用な経験者を「すぐに確保できる」ということです。
採用してすぐにでも生産性の高い働きをしてくれることが期待でき、自社の成長を加速させることができます。
変化が激しく、スピード感やタイミングが重要な近年のビジネスにおいて、採用してから一人前になるまでの期間が長いことは大きなデメリットになり得ます。
ビジネスのスピード感を求める企業にとって、キャリア採用は有用な採用手法の一つです。
キャリア採用では社会人としての心構えやビジネスマナーといった基礎についてはもちろん、担当業務に関してもゼロから教え込む必要がなく、教育コストを抑えることができます。
自社固有のルールや現状の共有といった最小限のレクチャーのみで済むため、教育担当となる既存従業員の負荷が重くなるリスクを避けられます。
自社とは異なるカルチャーを経験してきた人材が入社することで、新しい考え方やノウハウがもたらされる可能性があるのも、キャリア採用のメリットです。
新しいノウハウによって業務効率化や生産性の向上が実現すれば、組織の成長にもつながります。
これまでとは違った考え方の人材を採用することは多様性(ダイバーシティ)の促進にもつながり、会社の人間関係・職場の雰囲気の向上や企業としてのイメージアップも期待できます。
メリットがある一方で、キャリア採用には次のようなデメリットも存在します。
以下より、それぞれについて解説します。
即戦力となる経験者を獲得するキャリア採用では、未経験者の採用よりも想定給与を高く設定する必要があります。
高度な専門性や多くの実績を求めるほど、それに見合った給与額を提示することが必要です。
さらにキャリア採用では「ヘッドハンティング」や「人材紹介サービス」など、採用単価が高くなりやすい手法を利用することが多くあります。
ただし「リファラル採用」など採用単価を抑えられる手法でも、キャリア採用は可能です。
キャリア採用の手法について詳しくは、後述の「キャリア採用におすすめの募集方法」をご参照ください。
キャリア採用によって入社した人材が優秀であればあるほど、経験者としてのプライドがあり、これまでの体験によって培われた自らの意見ややり方を変えようとしない場合があります。
それが自社の環境になじむものであれば問題ありませんが、そうではない恐れがあることには注意が必要です。
またキャリア採用された人材が持ち込んだノウハウや業務の進め方に対して、既存の従業員がやりにくさを感じ、反発してしまうケースもあります。
それにより全体的な効率や生産性が低下してしまっては本末転倒です。
キャリア採用で入社した人材が組織になじめるよう、入社後のフォローを徹底するなどの配慮をする必要があります。
キャリア採用を導入する際のポイントや注意点は、次のとおりです。
それぞれについて、順に解説します。
キャリア採用では、どのような業務・職種における経験者を求めるかによって、選ぶべき採用手法が大きく変わってきます。
そのため、自社に必要な経験やスキルなどの要件を洗い出し、どのような人材を求めているのかを明らかにしておく必要があります。
また、それに沿った「選考基準」を具体化し、面接官など関係者全員と共有しておくことも重要です。
選考基準を明確にすることによって、ブレのない効果的なキャリア採用が実現できます。
求める人物像や選考基準を決める際のポイントについて詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
「採用ターゲット」を決める上で大切な3つのポイント
デメリットの章で触れたとおり、キャリア採用で獲得した人材は、経験者としてのプライドなどが邪魔をして組織になじめないことがあります。
そのような問題をできる限り避けるため、選考の際には「人柄」や「自社との相性」を見極めることが重要です。
面接での受け答えから人柄をよく見極めつつ、自社の社風についてもよく分析し、組織になじめそうかを判断する必要があります。現場の従業員に面接官として参加してもらい、意見を求めるのもおすすめです。
内定・入社後のフォローを丁寧に行うことも、キャリア採用における大切なポイントです。
有意義な経験を積んだ優秀な人材であるほど、他社にとっても魅力的な存在である可能性が高く、同時に複数の企業から内定を獲得していることがあります。
内定後のフォローを適切に行わないと、他社との対応に差が出てしまい、入社先として選んでもらえないかもしれません。
また前述のとおり、手間をかけて採用した人材が組織になじめないケースがあるのはキャリア採用における懸念の1つですが、これは入社後の十分なフォローによって防げることがあります。
内定辞退の防止方法について詳しくは下記ページをご参照ください。
たった5つの内定辞退防止策!?採用後~入社までのフォロー対策まとめ
人材募集にはさまざまな手法があります。
キャリア採用においては、経験者を見つけやすい手法や、自社とのマッチ度を高めやすい手法を選ぶことがポイント。
おすすめの募集方法は以下の3つです。
以下より、それぞれ順に解説します。
人材紹介サービスは、企業からの求人依頼に応じて、その内容にマッチした人材を紹介する仲介サービスです。
「人材紹介エージェント」とも呼ばれます。
豊富な経験・スキルを積んだ人材が数多く登録されており、専任の担当者と相談して求める人物像をブラッシュアップしながら、適切な人材を探せます。
求める条件を満たす人材に絞り込んで面接できるため、マッチ度が高い採用がしやすく、キャリア採用に向いている手法です。
前述したHR総研のアンケート調査においても、「キャリア採用で成果が出ている手段・サービス」として最も多い回答が「人材紹介」(59%)となっています。
転職サイトは、転職希望者向けの求人情報を掲載している専門サイトです。
転職サイトは中途採用で多くの企業が利用していて、キャリア採用にも利用できます。
利用者も多く、幅広いターゲット層にリーチできる点がメリットです。
転職サイトによっては、DM(ダイレクトメール)の機能によって求職者に直接アプローチでき、自社の求める人物像に合致した人材をピンポイントでスカウトできます。
例えば代表的な転職サイト「リクナビNEXT」には、気になるボタンをクリックした人などに絞ってDMを送る「こだわりアプローチ」の機能があります。
DMの使い方が成功のカギ!リクナビNEXTで最大限効果を出す方法
転職サイトについて詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
人材のスカウトができる求人媒体8選と選び方のポイントを解説
リファラル採用とは、自社の従業員から知人や友人を紹介してもらう手法です。
自社の社風や求めるスキルを理解している従業員からの紹介であるため、求職者が希望する仕事内容やキャリアとのミスマッチが起こりにくいことがメリットです。
そのため、自社とのマッチ度が重要なキャリア採用に適した手法だといえます。
前述したHR総研のアンケート調査においても、「今後、利用が高まると思われるキャリア採用の手段・サービス」として最も多く挙げられたのが「リファラル採用」(46%)となっており、多くの企業が注目しています。
また媒体への掲載料金がかからないため、採用コストが低いのもメリットです。
リファラル採用について詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
リファラル採用とは?メリット・デメリットや導入事例、成功のコツを紹介
キャリア採用は、特に専門職の即戦力を確保する際に有効な手法です。
キャリア採用を導入する際は、採用した人材が社風になじめないなどの問題が起きないよう、自社との相性をよく見極めましょう。
リファラル採用など自社とのマッチ度を高めやすい手法をうまく活用しながら、入社後のフォローも徹底し、丁寧な採用活動を実践することがキャリア採用を成功させるポイントです。
キャリア採用を導入したいものの、「何から始めればいいか分からない」「うまく選考できるか不安」など、ハードルが高いと感じることがあるかもしれません。
弊社トラコムでは、多くの実績に基づく豊富な知見やノウハウを提供しながら、効果的な即戦力の確保に向けたキャリア採用を適切にサポートいたします。
キャリア採用の他にも、さまざまな採用手法についてのコンサルティング、代行サービスをご提供しています。
まずは無料相談からお気軽にご利用ください。
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