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人材育成

未経験男女の職人を採用し、定着させるためには

未経験男女の職人を採用し、定着させるためには

人手不足、高齢化が進む建築土木の職人採用。未経験の若年層を採用し、定着させていくにはどうしたら良いのでしょうか。ガテン女子が流行ったこともあり、女性の参入も視野に採用を行っている企業様も多い中で、実際に私がガテン女子職人として働いていた経験を元に、定着の面などを含めてお伝えします。

20代後半、女性。クロス職人になったきっかけ

私がクロス職人として働くきっかけになったのは、自身の離婚がきっかけでした。
幼い2人の子供を抱えて、当時は美容関係の仕事と飲食の仕事、夜も仕事を掛け持ちながらの生活でした。
仕事内容や人間関係に不満は無かったのですが、収入の不安定さと、今後子供達が進学してお金がかかっていく時期に「果たしてこの生活で支えられるのか?」と不安になりました。

昼も夜も、あまり一緒に居てやれない後ろめたさも手伝って、転職を考えるようになりました。
「どんな職業なら男性並みに稼ぐことが出来るんだろう?」
「男性の仕事につくことが出来たら稼げるかもしれない。」
そんな安易な考えから、職人の世界に足を踏み入れたのでした。

入社の流れと、職業の選定

「男性のやる仕事に就こう」と職探しをしていた中で、最初に頭に浮かんだのは祖父や父のやっている大工職でした。
しかし車の免許も持っていないし、父の下で働いては周りの職人さんにも気を使わせるんではないかと思い、まったく知らない人たちの中で一から揉まれて行こうと思いました。
私のこの安易な考えが、甘いのか、それとも頑張れば成し得るのかを試したかったのもありました。


職探しをしている中で最初に目に付いたのは「補修屋」の仕事でした。女性も多く活躍していること、美術が好きな方に向いていること。ぴったりだと思い問い合わせました。
しかし補修屋さんの仕事には「閑散期」があり収入がまばらになることが多いとのことでした。
それでは大事な子供達を養っていけないと諦めようとしたときに「クロス屋さんが、人欲しがってたからどうかな?」と提案されました。
「クロス・・・?」クロス自体何なのかすら良くわかってなかった私。でも「やる気があれば、出来ますか?初心者でも。」と聞いたところ
「続くか続かないかはその人次第だけど、腕の確かな社長だよ。」とのお返事でした。
「やります!」と、即答し、社長と面接することになりました。ヒールにタイトスカート。腰まで伸びた長い髪。どちらかというと華奢な体質でした。

今思うと、よく採用してくれたなと思います(笑)

初心者が感じる「職人の世界の第一の壁」

トントンと入社が決まり、初めての出勤の日。どんな服装で行ったら良いのだろうか?
「制服は特にないから動きやすい服で。」としか言われなかったので、まずそこから悩みました。
取り合えず汚れていい長袖に、長ズボンで出勤しました。

現場の最寄駅に着くと、社長が作業車で待っていてくれました。緊張しながら乗り込むと「作業靴を買いに行こう」と車を走らせ、
ホームセンターに連れて行ってくれました。「作業靴って何だろう」と思いながら、自分の履いてきたスニーカーが駄目だったのかなあ等色々考えてしまいました。
「これなんか良いんじゃない?」と渡されたのは、可愛い配色のピンクと黒の作業靴でした。
「かわいい!!」そういうと社長はササっとレジに持っていって買ってくれました。その靴を履いて、現場に向かいました。

その日の現場は、西東京の老人ホームでした。すでに作業は始まっていて、色々な職人さんが入り交じっていました。
みんな黙々と作業をしていたので、挨拶をする時間も無く…。10時の小休憩までは誰とも会話することなく社長の後にくっついて回りました。
現場の危険な場所・トイレ・触ってはいけない場所・自分達のネタ場(休憩や、荷物を置く場所)を教えてもらい、10時になりました。

おのおの自販機に缶コーヒーを買いに行く職人さん達。女性は一人も居ませんでした。年齢は40代後半~70代。同世代も居ません。
「今日から入るから」という簡単な社長の挨拶に頭を下げました。みんな異物を見るような不思議そうな目で私を見ていました。
話しかけてくれる方も居なかったので、自分から話しかけました(笑)最初は社長の親戚や奥さん?または愛人?と思われたようですが、
見習い職人であることは、日にちを重ねて頑張っていったことで認めてもらえました。

最初に感じた「壁」は「疎外感」でした。中々職人さんの気質上知り合いの紹介等でないと、すぐに仲間に入れてもらえません。
女性だと特にそうなのかもしれませんが、ここで脱落する方は男女とわず多いのではないでしょうか。

もう一つ言えば「仮設トイレ」。
ドアの鍵が壊れていたり、泥だまりの中にあったりする現場も多く中々慣れませんでした。紙も無いときが多かった。。。
トイレの工夫さえ少しあれば、本当に女性としてはありがたいなと思います。
1年もたつ頃は「女性用マーク」をつけてくれたり工夫していただけたので、本当に嬉しかったです。

せっかく採用した「初心者職人」を定着させるためには

「疎外感」「馴染めない」。
もともと接客業の長かった私は、どんな人とも会話できたので仲良くなって貰えましたが、
私が入社して一年くらいたった頃。25歳の、ぽっちゃりした男性が入社してきました。
彼はとても大人しく、おどおどした感じの子でした。

1ヶ月たっても、自分から話しかけに行くことも無く、声もすごく小さな内気な子でした。
休憩時間も一人ぼっちだったので、こういう感じだとすぐに脱落してしまうのではないかと思い積極的に話しかけたり、自分が入社したときに感じていた不安などを共有したり、周りの職人さんにも彼のちょっとした面白い話などを共有して架け橋になってみたりしました。
そのうちに、だんだんと彼も周りと話をするようになりました。
最初は「合わないかも。。。」と言っていた彼でしたが、仕事の中で一番長く続いたようでした。

「給与や待遇を上げれば採用は出来る」かもしれませんが、採用した後はそのままになっていませんか?

職人として働くのは、未経験の人間にとっては全てがわからないことだらけな上
企業と違って教育システムが整っていないことが多いと思います。
「仕事は、先輩の動作を見て覚える」のは間違っていないと思いますが、
脱落する理由には「馴染めない」という理由も多いと思います。

職人さんによっては厳しく無口な方も多いはず。
少しでも定着を図るのならば、職人と新人の架け橋になる存在や、新人の教育をする職人や職長さんを
教育担当として教育していく事も必要だと思います。

新人がしっかり定着したら、教育担当の職人に別途手当てを支給する等、そんな工夫も良いかもしれませんね。

建築土木業界には、他の職業にない魅力が沢山ある

私がクロス職人として現場に入ってから感じたことは、年齢の隔てなく皆和気あいあいとしていて
毎日がすごく楽しかったというのが第一です。

直接私の技術を指導してくれたのは、社長でしたが
現場に出たら皆が「ここはもっと、こう押さえろよ~」とか
「付きつけでばっかり貼ってるから、合わせの時カッターが強いなあ」とか
色々アドバイスしてくれます。一番私が仲良しだったのは72歳のおじいちゃん職人で、いつも「孫と来てんのかー?」と、他のボード屋さんや設備やさんにからかわれていました。
毎朝5時ごろに家を出て、皆で真冬はポットを沸かして昆布茶を飲んだり珈琲を飲んだり、昼は近くのラーメン屋に皆で行くと、メニューを見ていても「しょうゆラーメン大盛り8個ね」と勝手に決められてしまっていたり(笑)私が残すと、必ず社長が食べる羽目になっていたり。

結婚を機に、私は退職してしまいましたが今でもたまに連絡をくれます。
引越しをするといったら、業者を頼まないでもいいからと皆が手伝ってくれたり
職場を越えた強いつながりを今でも感じます。
仕事は人生の中で、大半の時間を占める物。
自分の手で何かを作り上げる満足感だけでなく、人間としての成長、仲間との団結を本当に間近に感じられる職業だと思います。

建築土木業界の職人採用に必要なのは、高い給与や待遇だけではありません。厳しさをリアルに伝える事も大事ですが、重視したいのは1現場が終わるまで、ほぼ毎日一緒に過ごすメンバーとの関係性や、教育の仕方。現場のリアルな状況を、もう少し見つめなおしませんか?

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