介護業界＝慢性的人手不足。その状況を救うのは、「働きたくても働けない方」をいかに採用へと結びつけるか

高齢化社会が進む中、より一層多くの利用者の受け入れやサービスの充実が求められる「介護業界」。しかしほとんどで深刻な「人手不足」が発生しています。

その状況を、採用ターゲットの見直しを図ることで、解決に結びつけることが出来ます。

そもそも人手不足の原因は？

介護業界に限らず、人員不足の問題に悩まされている企業数は年々増加しています。一方、介護職に従事する人数に関しては、平成12年に約55万人だったものが、平成27年には約170万人にも増加しています。にも関わらず、高齢化社会に追いつかず、人員不足が深刻です。

公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」によれば、 人員不足の要因として挙げられるものとして、全体の過半数である68%が「採用が困難である」、19%が「事業拡大をしたいが人材を確保できない」、17%が「離職率が高い」という状況となっています。

「誰でもいいから来てくれればいい！」それって結局誰も来てくれないんです。

上記のような状況もあり、この求人事業をしていると、介護業界のお客様から求人の依頼を頂くことが多々あります。その際によく言われることが「誰でもいいから、来てくれればそれでいい！」なんてことです。
確かに、今日明日にでも1人でも増やしたい状況でこのお気持ちはよくわかります。でもそれって、結局どんな求職者にも届かないんです。

平成28年度の全体の有効求人倍率が1.34倍に対し、介護サービスは2.68倍。単純に2～3社の1社しか採用が決まっていないという、求人件数がありふれた現状の中、求職者から選んでもらう原稿でなければなりません。

選んでもらうために必要な情報は？

では選んでもらうには何が必要なのか。

よく「どうせお給料がいいところに行くんでしょう。うちはそんなに良くないから…」と諦めの声を聞くことがあります。ここでポイントとなるのは、給与を第一条件として仕事を探してる方ばかりではないということです。

転職サイトの利用者のアクセス状況のうち、最も多いのは「勤務地」で探す方なんです。それ以外にも、前職をどのような理由で退職したのかによって、その方の仕事における優先順位は変わってきます。「職場環境」「職場の雰囲気」を気にされる方も増えています。

たとえお給料が良くても、人間関係が良くなく、人の入れ変わりが激しいところでは働きたいとは思えませんよね。限られた原稿の文章の中ですが、例えば写真を外観ではなくスタッフの写真にするだけでも、雰囲気を伝えることができます。

カギとなるのは、「主婦」と「シニア」

さてここで、介護業界の企業様に特に視野に入れていただきたいのが、「主婦」と「シニア」の積極的な採用です。その理由は、「働く意欲が高いにもかかわらず、様々な弊害で企業から断られるケースが多いから」です。

例えば主婦に関しては、お子様が小さければ保育園の送り迎えの間に限定されます。平日のみの勤務に限られ、お子様の急病で休まざるを得ないこともあるでしょう。でも、生活費や学費など、今は夫婦共働きでないと厳しい時代。働く目的がはっきりしているので、勤務はとてもまじめで、大きな活躍をしてくれるケースが多いんです。

一方シニア層は、経験者採用をすれば即戦力となります。経験が浅い方に任せづらい訪問介護等で活躍するケースが多いです。時間にゆとりがあるため、介護経験がない方でも、送迎ドライバーや調理員、清掃員など早朝勤務が伴うお仕事でも問題なく取り組めます。

心配している点を原稿に入れることで、採用へとつながります。

さて、先に申し上げた、「選んでもらうために必要な情報」を、それぞれのターゲット別に原稿に入れることが、採用成功へとつながります。

主婦に関しては、例えば「時間・曜日相談OK！」と曖昧に書くのではなく、「平日のみの勤務OK」「10～14時等、お子様の送り迎えの時間も考慮します」「急病などによるお休みも対応します」と具体的に書くことで、不安なく応募することができます。また、「保育園に通うお子様がいる主婦も活躍中」等をあえて書くことで、自分の境遇に近い方がいる、と安心できます。

シニア層に関しては、「50代・60代も活躍中」「定年なし」など、自分に近い年齢の方が活躍していること、また入社後も希望する限り長く続けられることを書くことにより、応募に結びつきます。（ちなみに、タウンワークなどの求人広告の検索ワードとして、頻繁に「50代」「60代」は上位に入っています）。

具体的なメッセージで求人広告の効果は上がります

「人手不足」だと言われる業界でも、「働きたくても働けない方」に向けてメッセージを届けてあげることで、改善へとつながります。上記の表現はほんの一例ですが、施設規模、サービス内容の他、立地条件などでも解決策は変わってきます。ぜひ一度ご相談ください。最適な手法をご提案させて頂きます。