アドネットワークとは？仕組みと特徴・活用方法を紹介

Web広告・SNS広告を配信する際に知っておきたい仕組みの1つが「アドネットワーク」です。アドネットワークを利用することで、広告をさまざまな媒体に一括で配信できます。

本記事では、アドネットワークの概要やその仕組みといった基礎知識に触れながら、アドネットワークの利用シーンやメリット・デメリット、活用方法などについて詳しく解説します。

アドネットワークとは

アドネットワーク（Ad Network）とは、Webサイト・SNS・ブログなど、広告を配信できる複数の媒体を集結したネットワークのことです。アドネットワークを利用することで、複数媒体の中から自社のターゲットにマッチする最適な媒体へと自動的に広告を配信できます。

アドネットワークを使わずに広告を配信する場合、広告主は各媒体に個別の出稿依頼を実施する必要があり、媒体の選定にも手間がかかります。この点アドネットワークなら、複数の媒体に一括で広告を配信でき、効率的に運用することが可能です。適切な媒体の選定も自動的に行われるので、自社で媒体を選ぶ手間を省くことができます。

アドネットワークの仕組み

アドネットワークはどのように広告を配信しているのでしょうか。その仕組みを確認しておきましょう。

広告主は「Google広告」などアドネットワークを提供するプラットフォームに広告クリエイティブを出稿します。

この際、ターゲットとするユーザーの性別や年齢層などの属性や、どのようなジャンルの媒体に広告を配信するかなどを決める「ターゲティング」を設定します。ターゲティング設定について詳しくは当ページの「アドネットワークのメリット」をご参照ください。

プラットフォーム側では、ターゲティング設定などを基に、各媒体の特性や広告内容との関連性も考慮したうえで出稿する媒体を決定し、適切なタイミング・場所に広告を配信します。

広告主は媒体ごとに掲載の手続きをしたり効果分析をしたりする必要はありません。アドネットワークのプラットフォーム上で広告配信の分析・管理を完結できます。アドネットワークの代理店を利用すれば、広告の運用を代行してもらうことも可能です。代理店の利用について詳しくは当ページの「アドネットワークの利用方法」をご参照ください。

アドネットワークは何に使う？主な3つの利用シーン

アドネットワークには、どのような用途があるのでしょうか。主な利用シーンは、次の3つです。

• 新規顧客・リピーターの獲得
• 人材採用
• 自社サイトの収益化

以下より、それぞれについて順に解説します。

新規顧客・リピーターの獲得

アドネットワークの代表的な利用シーンは、自社の商品・サービスを宣伝する広告を配信することによる「集客」です。新規顧客の獲得はもちろん、「リターゲティング」の仕組みを活用するとリピーターを増やすこともできます。

リターゲティングとは、自社のWebサイトを一度訪問したことがある人に絞り込んで広告を配信することです。リターゲティングを利用することで、自社のWebサイトへのリピート訪問を促したり、前回訪問の際に検討段階で止まっていた商品の購入を促したりできます。

リターゲティングは、広告の配信先を絞り込む「ターゲティング」の一種で、他にもさまざまなターゲティング手法があります。詳しくは後述の「アドネットワークのメリット」をご参照ください。

人材採用

アドネットワークは「人材採用」に活用することも可能です。昨今は、さまざまな企業がアドネットワークを利用して求人広告を配信しています。

最近リリースされたIndeed PLUS（インディードプラス）もその1つで、求人情報をより多くの求職者へ効率よく届けるために作られた求人配信プラットフォームです。

Indeed PLUSについて詳しくはこちらをご覧ください。
Indeed PLUS（インディードプラス）とは？通常掲載との違いや特徴、求人掲載料金をご紹介

人材採用にアドネットワークを利用するメリットとして、集客を目的とした際と同様に、求人媒体の選定や、効果分析を個別に実施する手間が省けることが挙げられます。

またGoogle広告など求人に特化していない汎用的なアドネットワークなら、求人サイト以外にも広告を配信でき、すぐには転職を検討していない潜在層にも求人広告を配信することが可能です。

汎用的なアドネットワークだけでなく、求人広告に特化したアドネットワークもあります。例えばリクルートは10年以上前からアドネットワークの仕組みを利用したオーディエンスターゲティング広告の配信サービスを提供していますが、さらに今後、人材採用の領域でも利用できる独自のアドネットワークの活用方針を発表しています。

自社サイトの収益化

アドネットワークは、広告を配信する広告主としてだけでなく、広告を掲載する場を提供する「メディア側」の立場で利用することも可能です。自社サイトに広告枠を作り、そこにアドネットワークを利用して他社の広告を表示させることで、広告収入を得る仕組みを構築できます。

例えばGoogle広告には、自社サイトを収益化できる「Googleアドセンス」というサービスがあります。Googleアドセンスを利用すれば、自社サイトにGoogleのアドネットワークで配信されている広告を設置することが可能です。設置した広告が表示・クリックされることで広告収入を得ることができます。

アドネットワークのメリット

集客や人材採用で活用されているアドネットワークですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なものは、次のとおりです。

• 一括で効率的に広告配信できる
• ターゲティングができる

それぞれ以下に解説します。

一括で効率的に広告配信できる

アドネットワークの大きなメリットは、さまざまな媒体に対して一括で効率的に広告を配信できることです。前述のとおり、媒体の選定や、各媒体に対する個別の設定を実施する必要がなく、運用担当者の負荷を大幅に軽減できます。

また広告費の支払いや効果分析についても、一括で済ませることができ、媒体ごとに個別に管理する手間が省けます。

ターゲティングができる

アドネットワークでは、特定の条件によって配信先を絞り込み、高い訴求効果が期待できるユーザーのみに広告を表示する「ターゲティング」が可能です。

ターゲティングで利用されるデータには、広告主が保有するメールアドレスなどの顧客データや、アドネットワーク側が保有する性別・年齢・興味関心といった属性データ・推計データがあります。

ターゲティングではさまざまな条件を設定することが可能です。例えばGoogle広告では、以下の条件を設定して、広告を配信するユーザーを絞り込めます。

• 性別・年齢・居住地などの属性
• 興味・関心
• 積極的に調査している内容
• 自社広告やサイト、アプリなどへのアクセス履歴

さらに広告を配信するWebサイトのジャンルなど配信場所を絞り込む「コンテンツ ターゲティング」も可能です。

さまざまなターゲティング条件を設定でき、広告の費用対効果の最適化がしやすいことがメリットです。

参照：広告のターゲット設定 – Google 広告 ヘルプ

アドネットワークのデメリット・注意点

メリットがある一方で、アドネットワークには次のようなデメリットや注意点も存在します。

• 配信先を細かく選べない
• 運用のノウハウが必要

以下より、それぞれ確認しておきましょう。

配信先を細かく選べない

アドネットワークは、ターゲット設定を基に自動で配信媒体が決定されるため、基本的に配信先を細かく選べません。配信先サイトのジャンルといった大枠は指定できるものの、媒体を具体的に指定することはできないのです。

そのため、広告との関連性が低い媒体に配信されることがあり、場合によってはブランドイメージを損なうような媒体に広告が掲載されてしまう可能性もあります。

ターゲット設定や配信先のジャンルなどを指定して、想定しないメディアに掲載されないよう注意することが重要です。アドネットワークによっては、掲載を不可とする媒体を選択できる場合もあります。

運用のノウハウ・手間が必要

アドネットワークでターゲティングの条件や予算などを適切に設定するには、相応のノウハウが必要です。また、広告が配信されたら作業が完了するわけではなく、効果を分析しながら適宜調整する必要があり、運用の手間がかかります。

アドネットワークのノウハウを持った人材が自社にいない、もしくは運用に手間をかけられないといった場合は、広告代理店など外部の専門業者に依頼することも可能です。詳細は、後述する「代理店経由での利用」をご参照ください。

アドネットワークの代表例

企業が広告配信に利用できるアドネットワーク プラットフォームの代表的な例は次の3つです。

• Google広告
• Yahoo!広告
• Meta広告

以下より、それぞれについて順に解説します。

Google広告

Google広告は、Google検索やYouTubeなどGoogle社のサービスや、その他のさまざまなWebサイト・アプリに広告を配信できる代表的なアドネットワークです。YouTubeの動画広告もGoogle広告を使って配信できます。

検索エンジンの会社であるGoogleならではのリスティング広告（検索広告）を配信できることが特徴です。リスティング広告とは検索結果の画面に表示される広告で、関連製品・サービスを検索しているユーザーに広告を配信することができます。

リスティング広告は、あらゆる製品やサービスの広告宣伝だけではなく、人材採用にも多く活用されています。リスティング広告を活用した人材採用について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

人材採用に使うリスティング広告「採用リスティング」とは？特徴や運用のポイント、求人掲載料金をご紹介

Yahoo!広告

Yahoo!広告は、Yahoo! JAPANの検索結果や、Yahoo!ニュースなどのサービスに広告を配信できるアドネットワークです。

検索結果画面の目立つ位置にテキストリンク型の広告が表示される検索広告（リスティング広告）と、Yahoo!ニュースなどのサービスにバナー広告・動画広告を配信できるディスプレイ広告の2種類があります。

広告が表示されるエリアを市区郡単位で絞り込める「地域ターゲティング」や、性別・年齢などユーザーの属性によって絞り込める「属性ターゲティング」、ユーザーの興味・関心によって絞り込める「興味・関心ターゲティング」により、効率的な広告配信が可能です。

Meta広告

Meta広告は、SNS広告を配信できる代表的なアドネットワークです。Meta社が運営するFacebook・Instagram・WhatsApp・Messengeなどのサービスに広告を配信できます。

Google広告やYahoo!広告と同様、年齢・性別・地域・興味関心など、詳細なターゲティング設定により、適切なユーザーに対して効率的に広告を配信することが可能です。さらにSNS広告ならではのリアクションした人数、コメントを付けた人数、シェア・クリックをした人数などの計測ができ、詳細な効果分析ができます。

アドネットワークの利用方法

アドネットワークで広告を配信する方法は、以下の2種類に大別されます。

• 自社での直接運用
• 代理店経由での利用

以下より、それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

自社での直接運用

アドネットワークのプラットフォームの多くは、自社でアカウントを作成して直接運用できます。キャッチコピー・バナー・動画といったクリエイティブの制作や、広告配信による効果測定・分析などの運用を自社メンバーにて行う方法です。

自社運用のメリットは、任意のペースで自由に広告入稿・修正の作業ができることです。一方で、効果的な運用には一定のノウハウが必要なうえ、相応の手間がかかることを覚悟しておく必要があります。社内のノウハウと運用リソースに不安がある場合には、次に挙げる「代理店経由での利用」がおすすめです。

代理店経由での利用

アドネットワークへの広告入稿や、効果分析・改善といった運用の業務を、代理店に代行・サポートしてもらう方法もあります。

代理店を利用すれば、多くの作業を代行してもらうことができ、広告運用に割くリソースが足りないなどの問題を解消することが可能です。

運用ノウハウの面でも、プロフェッショナルによるアドバイスが得られ、社内にノウハウを蓄積できるなどのメリットもあります。

なお弊社トラコムでは、Google広告による集客や人材採用のサポートを提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。Google広告を使った人材採用については下記ページで詳しく解説しています。

Google広告は求人・採用活動に使える？メリットや成功のコツを解説

まとめ

アドネットワークプラットフォームを利用することで、複数の媒体に一括で広告を配信でき、集客や人材採用を効率化できます。ターゲティングの仕組みを利用することで、広告のコストパフォーマンスを高めることも可能です。

ただしアドネットワークを有効活用するには一定のノウハウが必要で、相応の手間がかかります。自社での直接運用が難しい場合には、代理店のサポートを受けながら利用する方法がおすすめです。

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