採用するとき、その人を何で判断していますか？本当に必要な人材とは

「あれ？期待していたほど活躍していない…」「え、もう辞めちゃうの！即戦力だったのに…」こんな思いを何度も経験してきた方もいらっしゃるのでは？

採用環境も大きく変化した今だからこそ、中途採用の時に求職者のどんなところを見ればよいのか、少しでもヒントになれば嬉しいです。

ここ数か月でガラリと変わった採用環境

2008年のリーマンショック以降、労働需要の高まりや労働人口の減少から年々上がり続けた有効求人倍率。2019年には1.55倍まで上昇し、まさに売り手市場。企業は採用の「質」を下げてでも人材の確保を優先している状況になりました。

それが一転、COVID-19（新型コロナウイルス）の影響により、休業や人員削減を余儀なくされる企業が急激に増加。2020年9月時には有効求人倍率は1.08倍まで低下。更に下がるとまで予想されています。（参考資料：一般職業紹介状況（令和2年7月分）について／厚生労働省）

人件費の削減が最重要項目になり、社員の「数」より一人一人の「質」が求められる時代にまで変化しています。

採用のハードルは高く、「スキル」「経験」の取り合いに

急変した社会情勢の中でも、今後も安定して利益を上げるには「人」が必要不可欠。しかし、多くの新入社員を1度に抱える体力はない。それならば自然と「質」を求めてしまうのは当然のこと。質とはつまり「スキル」「経験」。数多くの企業はますます採用への要望値が高くなりつつあります。

もちろんどの企業だって即戦力が欲しい。採用して即、会社に利益をもたらしてくれる人材は当たり前のようにどこも望んでいます。しかし考えて下さい…果たして今の世の中の求職者で、そんな理想の人材はいったい何％いるのでしょうか？狭い池で勝負をしようとしている可能性はないですか？

こんな時だからこそ！その人の「可能性」を見て欲しい

スキルや経験というものは非常に不明確です。なぜならそれを測る人間の感覚でいくらでも見え方が変わるからです。スキルを求めた結果、経験を求めた結果、100％その通りに会社にフィットするという保証はどこにもありません。一度立ち止まって考えて下さい。いくら優れた人間でも最初は全員「初心者」。例外はあるが「プロ」になるにはそれ相応の時間がかかります。

時間がかかるという事は、働く本人がそれだけ時間を費やす覚悟と、楽しさと、やりがいが必要。そうやってやっと「自社のプロ」が作り上げられます。つまり活躍する人間とは最初から「質」の高い人間とは限りません。高い志を持った人材と、ポテンシャルを引き伸ばせる会社の環境でいくらでも可能性は広がっていきます。

こんな時だからこそ！長い目で考えて欲しい

ここで自分の例えを出すのはおこがましいですが、私は今の会社でこんな経験をしてきました。

同期は年下の経験者

私は27歳の時に中途で入社をしました。もちろん営業は未経験。アパレル販売を6年経験し、人より多少話すのが上手になった程度でした。そんな資格もスキルもない自分と同期だったのは、バリバリの営業経験者で高学歴、しかも自分よりも2歳も年下の男性。会社からの期待度が違う事は当然分かりましたし、悔しいが仕方ないとも思いました。

私は日々その同期の背中を追いかけるのに必死でした。しかし営業経験のない自分には仕事全てが新鮮で、きつかったですが、その分楽しかったし非常にやる気も出ました。元々人と話すのは好きだった為、コツを掴んでからはより多くを求めるようになりました。

退職理由は「思っていたのと違う」

初受注は当然同期の方が早かったですが、わずか3ヵ月でその同期は退職。前の職場での経験が頭から離れず、最後は「思っていたのと違う」となったようです。その同期がまだ社内にいたら私よりもよほど利益を上げていたかもしれません。しかし今、役職も任され、少なくとも会社に貢献しているのは私。（まだまだ下っ端なのは置いておいて…。）入社時の経験やスキルも大切ですが、会社にマッチすることの方が大切だと思いませんか？

こんな時だからこそ！社員の力を信じて欲しい

私がこの会社に転職した時は、今ほど採用されやすい環境ではありませんでした。27歳の未経験に可能性を見出してくれる会社は少なく、何十社と落ち続けました。

そんな私が、今もやりがいをもって従事できるのは、そもそも採用面接で見栄を張らず、素直に意見を伝え、それに可能性を感じ活躍できる環境であると判断してくれた社長。更には、時間をかけて育ててくれた上司や周りの仲間の力があったから。未経験の新人である私を信じ、役割を与えてくれたことが今に繋がっています。

まとめ

各企業の人事担当者はゆっくりしている暇などない状況だと思います。しかし「スキルや経験」が全てではないと改めて分かって欲しいです。スキルや経験は、本人の意思と環境でいくらでも身に付きます。

コロナの影響は大きく、回復するまでにかなりの時間がかかると考えられるため、それだけ長く活躍してくれる人材が必要です。重要なのは目先の能力ではありません。こんな時だからこそ、目に見えない、その人の中身を見抜く力が大事なってきます。

もう一度採用条件を見直したい、そんな企業様はお気軽にご相談ください。

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