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「つながらない権利」とは?法改正の動向とアルバイト・パート現場で今すぐできる対策を解説

トラコム編集部

「つながらない権利」とは?法改正の動向とアルバイト・パート現場で今すぐできる対策を解説

「業務時間が終わったあとも、スタッフからの連絡が気になって休まらない」「シフトの調整や欠勤連絡が、深夜や休日でも店長個人の私用SNSに届いている」

こうした勤務時間外の連絡は、これまで現場の善意や責任感によって何となく回ってきました。しかし近年、世界的に「つながらない権利(Right to Disconnect)」という考え方が広がり、日本でも労働基準法改正の議論のなかで論点のひとつになっています。

そして実は、この問題がもっとも見落とされがちなのが、アルバイト・パートを多く抱える現場です。本記事では、人事・採用ご担当者に向けて、「つながらない権利」の基本と2026年最新の法制化動向、そして現場で今日から始められる具体策をわかりやすく解説します。

「つながらない権利」とは

「つながらない権利」とは

「つながらない権利」とは、労働者が勤務時間外や休日に、仕事上の連絡(電話・メール・チャットなど)に応答しなくて良い権利を指します。終業後にも上司や同僚、取引先から連絡が届き、対応を求められることで生じる精神的な負担から労働者を守り、私生活とのオン・オフの境界を確保することを目的とした概念です。

スマートフォンやチャットツールの普及により、「いつでも・どこでも連絡が取れる」環境が当たり前になった結果、勤務時間と私生活の線引きがあいまいになりました。「つながらない権利」は、こうしたデジタル時代特有の働き方の課題に対応するために注目されています。

ここでのポイントは、業務時間外の連絡そのものを一律に禁止するわけではない、ということです。あくまで連絡に応じなかったことを理由に、評価や処遇で不利益を与えてはならないという思想に基づいています。

世界では法制化が進行中。日本はどうなっている?

世界的に働き方の見直しが進むなか、「つながらない権利」を法律として明確に規定する国が増えています。まずは先行する海外の法制化のトレンドと、それに対する日本の現在の立ち位置を整理してみていきましょう。

海外は「法律罰則」で事前抑止

「つながらない権利」の法制化は海外が先行しています。フランスが2017年に労使協定の締結を義務づけたのを皮切りに、ポルトガル(2021年施行)、ベルギー(2023年施行)、オーストラリア(2024年施行)などが相次いで制度化しました。国によっては違反企業に罰則を科す仕組みもあり、「法律とペナルティによる事前抑止」が進んでいます。

日本は「ガイドライン・労使ルール」を軸に議論中

日本では、2025年1月に厚生労働省の有識者会議「労働基準関係法制研究会」が報告書を公表しました。その中で、勤務間インターバルや勤務時間外の連絡について「複合的な要因を整理し、どのような連絡までが許容され、どのようなものは拒否できるか、総合的な社内ルールを労使で検討していくべき」とし、国としてもガイドラインの策定など積極的な方策を進めるよう提言がなされました。

その後、議論の舞台は「労働政策審議会 労働条件分科会」へと移り、具体的なルール化に向けて現在も労使間での継続的な審議が進められています。
インターネット上では「つながらない権利はいつから義務化されるのか」といった疑問の声も多く聞かれますが、結論から言うと、具体的な施行時期はまだ決定していません。

約40年ぶりとなる労働基準法の大改正をめぐっては、2026年の通常国会への法案提出が見送りとなっており、「つながらない権利」が条文として明記されるかどうかは現時点(2026年7月現在)で不透明な状況です。実際の法制化や施行時期はさらに先になる見通しですが、だからこそ現場の「先んじた社内ルール作り」に注目が集まっています。

参照:労働基準関係法制研究会報告書|厚生労働省

「法制化されていないから大丈夫」ではない

法改正の施行時期が先になるからといって、企業側が対策を先送りにすることは得策ではありません。

すでに厚生労働省の「テレワークガイドライン」には、「時間外や休日のメール・チャット等の連絡に対応しなかったことを理由に、労働者に対して不利益な人事評価を行うことは不適切な人事評価である」と明記されています。

さらに実務上のリスクとして注意したいのが、勤務時間外の連絡が「頻繁」かつ「事実上の強制」とみなされた場合です。客観的に見て業務命令だと評価されれば、その時間が「労働時間(=残業)」と判定され、未払い残業代トラブルに発展するリスクがあります。「返信はあくまで任意だった」という会社側の言い分は、今後ますます通用しにくくなると考えておくべきでしょう。

参照:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン|厚生労働省

見落とされがち!アルバイト・パート現場こそリスクが高い

「つながらない権利」は、テレワーク中の正社員の話だと思われがちです。しかし、人事担当者が本当に注意すべきなのは、店長やリーダーが多数のアルバイト・パートを抱える店舗・現場にほかなりません。

正社員のテレワーク以上に、アルバイト現場で「勤務時間外の連絡」が深刻な労務リスクに直結しやすい背景を整理します。

リスク1:店長の「私用SNS」が業務連絡の主役になっている

多くの店舗・現場では、シフトの提出・変更、欠勤連絡、スタッフへの周知などが、店長とスタッフ双方の私用SNSで行われています。

深夜や休日でも「明日のシフト、入れますか?」「急用で休みたいのですが…」といった連絡が私用SNSに届き、店長は事実上、24時間いつでも対応を迫られる環境に置かれています。これこそが、「つながらない権利」が侵害されている典型的なケースです。

また、店長はそういった既存スタッフの調整ごとに加えて、新規スタッフの採用活動(主に面接設定)に関しても多くの連絡をスピーディーに捌くことを求められており、店長の負担はより深刻になります。
対応スピードの目安として、「応募してからの連絡は何日まで待てる?求職者のリアルを紹介」の記事もぜひ参考にしてください。

リスク2:情報漏洩・SNSトラブルの温床になる

私用SNSの利用は店長だけの問題ではなく、企業側にも機密情報の漏えいやハラスメントのリスクをもたらします。

特にアルバイト現場では、「退職後もSNSのグループにアカウントが残り続けて情報が丸見えになる」「個人アカウントを交換することで店長や現場社員から私的かつ不適切な連絡を受け取る可能性がある上、検知もできない」といった形でトラブルの温床となります。

このように、会社の管理が及ばない個人用のツールを業務に流用することは、情報管理やコンプライアンスの観点から見過ごせない重大な問題といえます。

リスク3:放置すると「定着率の低下」に直結する

「休みの日まで連絡が来る」「断りづらい雰囲気がある」という環境は、スタッフと店長双方にとって大きなストレスとなり、早期離職の引き金になります。

せっかく採用コストと教育時間をかけて獲得した人材が、勤務時間外のやり取りに疲弊して定着しなければ、企業の採用活動はすべて水の泡となりかねません。そのため、「つながらない権利」への配慮は、単なる労務コンプライアンスの枠を超えた「採用・定着戦略」そのものといえます。

実際に、勤務時間外の連絡にストレスを感じつつも、「義務感や断りづらさから対応している」という求職者・労働者は少なくありません。

人事・企業が今すぐできる3つの対策

人事・企業が今すぐできる3つの対策

法制化やガイドラインの義務化を待たずとも、企業が主体的に取り組める実効性の高いアプローチは数多く存在します。特に、パート・アルバイトを多く抱える現場でおすすめしたいのが、以下の3つの具体策です。

  1. 社内ルールの明文化
    「緊急時を除き、勤務時間外の業務連絡は原則行わない」「休日の連絡への返信は翌営業日に行う」など、具体的な線引きを就業規則や社内ガイドラインとして明確化します。
  2. 連絡手段を「業務専用ツール」に切り替える
    店長やスタッフの私用SNSを使った連絡をなくし、業務専用ツールに集約します。勤務時間外は通知をオフにするなど、システム側でオン・オフの明確な線引きが可能になります。
  3. 連絡が集中しない仕組みづくり
    シフト回収を自動化し、「店長が一人で連絡対応に追われる」などの状態を解消します。

これら3つのアプローチのなかでも、最も現実的かつ即効性を期待できるのが、2番目の「連絡手段の専用化」です。

窓口を私用SNSから業務専用ツールへと切り替えることは、現場の意識改革を待つよりも確実に公私の線引きを可能にします。連絡の入り口が一本化されて初めて、形骸化しない、実効性のある「つながらない権利」の担保が可能になります。

無料アプリ「バイトルトーク」で、現場の“つながる負担”をゼロに

「私用SNSでの業務連絡をやめたいけれど、新しいシステムにコストはかけられない」

そのような店舗や事業所の現場におすすめなのが、アルバイト・パート求人掲載サイト「バイトル」の運営元・ディップ株式会社が提供するバイト専用のコミュニケーションアプリ「バイトルトーク」です。

バイトルトークは、無料で導入できるアルバイト・パートに特化したシフト管理・スタッフ連絡用のツール。現場が抱える次のような課題を、コストをかけずにまとめて解決します。

  • 私用SNSからの脱却
    業務連絡を業務専用ツールに集約し、店長の私用SNSに頼らない運用を実現。公私混同をなくし、機密情報を意図しない第三者に誤送信してしまう、グループに退職後も残り続けることで発生する情報漏洩といった労務トラブルのリスクを低減します。
  • シフト管理の効率化(DX)
    スタッフへのシフト提出要請などの機能により、店長が抱える毎月の煩雑な事務作業の負担を大幅に削減します。
  • オン・オフの明確な線引き
    連絡の入り口を業務専用ツールに一本化することで、「休日はアプリを開かない」「通知をオフにする」といったコントロールが可能。仕事と私生活を分離できるため、勤務時間外のルールが形骸化せず、現場で自然に運用しやすくなります。
  • ストレスフリーによる定着率の向上
    店長とスタッフ双方の連絡ストレスを軽減し、「働きやすい職場環境」の構築に貢献。すでに多くの店舗や事業所で導入が進んでいます。

「つながらない権利」への適切な配慮と、現場の業務効率化・定着率アップは、仕組み次第で十分に両立が可能です。現場に合った正しいツールを選び、環境を整えることがその第一歩となるでしょう。

こうした具体的な対策や成功事例については、「【録画配信】コスト0円で始める定着DX!「バイトルトーク」から始める現場改革セミナー」にて、さらに詳しく解説しています。

【録画配信】コスト0円で始める定着DX!「バイトルトーク」から始める現場改革セミナー

また、定着だけでなく、まずは大前提となる母集団形成から見直したいという場合は、アプリの導入とあわせて「バイトルに求人掲載するには?料金プランや採用までの流れを徹底解説」の記事をぜひご覧ください。

バイトルトークの導入はもちろん、こうした「選ばれる職場づくり」を踏まえた求人募集や、自社にマッチする人材の獲得について詳しく知りたい方は、ぜひトラコムへお気軽にご相談ください。貴社の抱える採用課題に合わせ、最適なプランをご提案いたします。

よくある質問(FAQ)

「つながらない権利」に関するよくある質問をまとめました。

Q.「つながらない権利」は、もう法律で義務化されているのですか?

A.2026年6月時点では、「つながらない権利」を直接定めた法律はありません。ただし厚生労働省の検討会においてガイドラインの策定を提言するなど、制度化に向けた議論は進んでいます。法制化を待たずに社内ルールを整えておくことが推奨されています。

Q.アルバイト・パートも対象になりますか?

A.「つながらない権利」は雇用形態を問わず、すべての労働者に関わる考え方です。むしろ店長個人のLINEで連絡が行われやすいアルバイト・パート現場こそ、早めの対策が重要です。

Q.勤務時間外の連絡は、残業代の支払い対象になりますか?

A.連絡の頻度や強制力によっては、その対応時間が労働時間とみなされ、残業代の対象になる可能性があります。トラブルを避けるためにも、連絡ルールの明確化と連絡手段の整備が有効です。

まとめ

今回は、アルバイト・パートの現場に潜む具体的な労務リスクと、今すぐ企業が取り組むべき対策について見てきました。

あらためて、自社の現場を守るために押さえておきたい重要なポイントを振り返ります。

  • 「つながらない権利」の定義と国内の動き
    勤務時間外の業務連絡に応答しなくて良いとする考え方。日本でも今後の労働基準法改正に向けた重要な論点となっており、法制化へ向けた議論が本格化しています。
  • 法律の有無にかかわらず存在する「3つのリスク」
    法制化を待たずとも、勤務時間外の連絡は「未払い残業代」「早期離職」「情報漏洩」という大きな労務リスクに直結します。
  • 見落とされがちな「私用SNS」に潜むリスク
    店長が私用SNSでスタッフとやりとりしている店舗は、公私混同が起きやすく、企業の管理が届かない「労務管理の盲点」になりがちです。
  • 解決のファーストステップは「連絡手段の専用化」
    私用SNSとは異なり、ツール側で通知や閲覧をコントロールできる環境を作るのが得策です。無料アプリ「バイトルトーク」なら、コストをかけずに今すぐ現場の環境を整えられます。

「つながらない権利」への対応は、労務コンプライアンスの遵守であると同時に、求職者から「選ばれる職場」をつくるための重要な採用戦略でもあります。

採用の仕組みづくりのご相談はトラコムへ

トラコムでは、今回ご紹介した「バイトル」や「バイトルトーク」の活用だけでなく、採用に関連する40以上の媒体を取り扱っており、最適な求人サイトによる母集団形成から、採用管理システム(ATS)を活用した選考の効率化、各種デジタルツールによる現場の負担軽減まで、特定の商材に縛られない最適な仕組みをフラットにご提案いたします。

採用募集から定着を見据えた環境改善まで、仕組みづくりをトータルでサポートいたしますので、自社の採用課題にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

※各社のサービス名、およびロゴマークは関係各社の商標または登録商標です。

この記事を書いた人

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