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従業員満足度(ES)を高めるには?関係する6つの要素と成功事例を解説

従業員満足度(ES)を高めるには?関係する6つの要素と成功事例を解説

よりよい企業活動のためには、従業員満足度(ES)が欠かせません。顧客満足度(CS)は一般的によく知られていますが、従業員満足度について意識したことがある方は少ないかもしれません。「従業員満足度を高めるメリットは何?」と考えている方も多いでしょう。

この記事では、従業員満足度の基本要素や、それを高めるメリットと方法について解説します。従業員満足度が向上した企業の事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

従業員満足度(ES)とは

従業員満足度(ES=Employee Satisfaction)とは、自分の務める企業や業務に対する従業員の満足度のことです。従業員満足度が高まることには、従業員にとってだけでなく組織全体にもさまざまなメリットがあります。

例えば、従業員満足度を高めることが「生産性・業績」にプラスの影響を与えることは、管理会計学の論文でも指摘されています。モチベーションや愛社精神を高めるためにも、従業員満足度を引き上げることが重要です。

従業員満足度を維持・向上していくことは、企業活動に欠かせない活動の一つといえるでしょう。

従業員満足度(ES)が注目される背景

従業員満足度が注目される背景として、「労働力人口の減少」による人材獲得の難しさが挙げられます。

総務省統計局の調査によると、2021年の労働力人口は平均6,860万人で、前年に比べて約8万人減少しています。この先も労働力人口は減少を続け、人材獲得はますます難しくなっていくことが予想されます。

このような状況では、人材獲得の方法を工夫するだけでなく、いかに「既存の人材」に活躍してもらえるかが重要です。つまり社員の離職を防ぎ、一人ひとりのパフォーマンスを向上させるためには、社内の組織体制や環境などを改善していく必要があります。その指標の一つとして、「従業員満足度」が注目されています。

従業員満足度に関係する6つの基本要素

従業員満足度は、主に以下の6つの要素によって構成されています。

業務内容
職場の人間関係
評価システム
企業のビジョン・ミッション
給与・福利厚生
職場環境

ここでは、それぞれの基本要素について詳しく解説します。

業務内容

一つの要素は、自分の担当している「業務内容」に対する満足度です。例えば、「自分はこの仕事を通して会社に貢献できている」といった意識が強ければ、業務内容に対する満足度は高くなるでしょう。

逆にやりがいを感じられない業務や、自分の強みを活かせていないと感じることがあれば、業務内容に対する満足度は低くなります。

業務内容の満足度を高める方法は、いわゆる「適材適所」のマネジメントです。人材を適正に配置し、それぞれが自分の経験・スキルを発揮できるようにする必要があります。

職場の人間関係

職場での人間関係に対する満足度も、重要な要素です。上司や先輩、同僚、部下などとの人間関係は仕事の基礎となる要素であり、ここが安定していないと、従業員満足度に大きな影響を及ぼします。

実際に、職場の人間関係を理由に、仕事を辞めてしまう人も多くいます。厚生労働省が令和2年に実施した調査によると、転職入職者が前職を辞めた理由として、「職場の人間関係が好ましくなかった」と回答した割合は、女性は13.3%男性は8.8%で、いずれも上位です。

従業員満足度を高めるうえで、人間関係は見逃せない要素といえるでしょう。

評価システム

人事評価のシステムの良し悪しも、満足度に影響する要素です。人事評価の基準やマネジメント体制が適切でないと、従業員満足度が下がる場合があります。

人事評価システムを運用するうえで、特に重要なのが公平性です。例えば「上司の好き嫌いで評価が決まってしまう」と感じられる状況では、評価されなかった人間のモチベーションが下がってしまうでしょう。

従業員満足度を高めるには、評価の基準をきちんと整備し、その基準が評価される側の従業員にも明確になるような人事評価システムをつくることが重要です。

企業のビジョン・ミッション

企業の理念やビジョン・ミッションなどに従業員が共感しているかどうかも、満足度に関係します。

企業と従業員の価値観が一致していなければ、従業員が自分の仕事に意味を見出しづらくなります。その結果、「やりがい」や「組織の一員としての自覚」が薄くなり、従業員満足度の低下につながるのです。

従業員の共感を得られるビジョン・ミッションを示し、それを共有する周知活動などを徹底することで、企業と従業員の価値観が一致するように促すことが大切です。

給与・福利厚生

「給与・福利厚生」などの待遇面は、従業員の満足度に影響する大きな要素です。当然のことながら、給与や福利厚生が充実していればいるほど、従業員満足度は向上しやすくなります。

従業員に対して十分な給与や福利厚生を提供できているかどうかを計るには、同業他社と比較することも重要です。業界の相場と比べて待遇が悪いと、「他社に転職したい」などの気持ちが強まり、満足度が低下することがあります。

居住エリアの給与相場や、従業員の生活水準なども参考に、満足のいく給与と福利厚生を提供できるようにすることが重要です。

職場環境

従業員を取り巻く「職場環境」も、満足度に影響します。従業員に「働きやすさ」を提供できなければ、満足度が大きく下がってしまうでしょう。

職場環境に影響する要素の一つは「柔軟性」です。昨今では働き方改革の影響で、在宅ワークなどが浸透しつつあり、多様な働き方を求める人が増えています。働き方の多様性が確保されていると、従業員にとっての選択肢が増え、満足度の向上が期待できます。

また「社風・企業カルチャー」などの要素も、職場環境の快適性に大きな影響を及ぼします。例えばコミュニケーションがしにくく、自分の意見を言いづらい風潮が漂っていると、従業員の満足度は下がってしまうでしょう。

あらゆる面から自社の職場環境を分析し、快適な業務を妨げる要素があれば改善していくことが大切です。

従業員満足度を高めるメリット

従業員満足度を高めると、従業員だけでなく、企業にとってもさまざまなメリットがあります。代表的な4つのメリットを整理しておきましょう。

人材流出を防止できる

まずは人材流出を防止できる点です。満足度が高ければ、従業員の企業に対する帰属意識が高くなります。「これからもこの企業で働きたい」という意識が強まることで、人材流出の防止につながるのです。

昨今では、労働力人口の減少など、企業にとって深刻な問題が増えています。採用には高いコストがかかるため、いかに既存の社員の流出を防ぎ、なおかつ高いパフォーマンスを出してもらうかが重要です。従業員満足度を高めることは、そうした課題を解決する鍵となります。

新しい人材が集まりやすくなる

既存の従業員の定着だけでなく、新しい人材を集めやすくなるのも大きなメリットです。従業員満足度が高まれば、「魅力的な職場」として自社のブランディングができます。多くの人が「従業員満足度の高い職場で働きたい」と考えているため、新しい人材を採用する際にも有利になるでしょう。

また、従業員に友人や知人などを紹介してもらう「リファラル採用」の促進にもなります。リファラル採用はコスト削減などの観点から注目されている採用手法ですが、魅力的な職場でなければ「友人を紹介したい」という気持ちを促すことは難しくなります。従業員満足度を高めることで、リファラル採用が浸透しやすくなり、さらに人材を集めやすくなるのです。

個人・組織のパフォーマンスが向上する

個人や組織の「パフォーマンス向上」も、従業員満足度を高めるメリットです。満足度が高いと、従業員がより高いモチベーションを持って仕事をするようになります。

従業員それぞれが主体性を持ち、高いパフォーマンスを出せるようになると、今までになかったようなアイデアが生まれる可能性もあります。業務フローや組織体制の改善案が出てくるなど、チームや部署全体にもプラスの影響をもたらすことになるのです。

顧客満足度(CS)や業績の改善につながる

従業員満足度を高めることは、顧客満足度(CS)や業績の改善にもつながります。

従業員満足度が高まることによって、モチベーションや責任を持って仕事をする人が増え、「顧客目線」「ユーザー目線」で物事を考える基礎がつくられます。より高い価値を提供できるようになると、それが商品・サービスに反映され、顧客満足度が向上するのです。

顧客満足度の改善に伴って業績が向上し、従業員に還元できる部分も増えていきます。待遇の改善によって、従業員満足度がさらに向上するという好循環も期待できるでしょう。

従業員満足度を調査する2つの方法

「従業員満足度はどのように調査すればいいの?」と気になっている方も多いでしょう。従業員満足度の調査方法は大きく分けて2つ、「定量的」な調査と「定性的」な調査です。ここでは、従業員満足度の調査方法について詳しく解説します。

アンケート(定量的な調査)

定量的な調査とは、具体的な数字を伴った調査方法を指します。満足度を5段階から選んでもらうなど「選択式」のアンケートを実施して、顧客満足度を定量的に測定するのが一般的です。定量調査のメリットは、誰にとっても分かりやすい、客観的なデータを用意できることです。

調査方法としては、「紙」と「Web」の2種類があります。状況に応じて、自社に合った方法を選択しましょう。基本的には全社員を対象にして、さまざまな項目を用意しつつ、選択形式で回答してもらいます。回答が集まったら集計し、「部署やチームによって傾向は異なるか」など、さまざまな観点から分析しましょう。

アンケートを実施する際は「分析ツール」を利用することで効率的に実施できます。分析ツールについては以下のページをご参照ください。

従業員満足度を向上させたい企業必見!口コミ・アンケート分析ツールの選び方

従業員満足度を向上させたい企業必見!口コミ・アンケート分析ツールの選び方

インタビュー(定性的な調査)

定性的な調査とは、数字など客観的要素以外のもので測る調査方法です。具体的には、対面などインタビューによる調査を指します。

定性調査のメリットは、定量調査では分からないような対象者の感情や価値観など抽象的な面を測定できることです。

デメリットは、調査方法の結果に関してさまざまな解釈ができる場合がある点です。インタビュー結果の分析は慎重に行う必要があります。

またインタビューは手間がかかるため、アンケートのように、従業員全員に対して実施するのは難しいでしょう。管理職や、アンケートでマイナスの回答が多い人など、人材を絞って調査する必要があります。

インタビューをする際は、なるべく回答者が遠慮せずに答えられるような環境・雰囲気づくりを心がけましょう。

従業員満足度を高めるために必要なこと

従業員満足度を高めるために必要なことは、いくつかあります。先ほど紹介した、満足度に関係する6つの要素「業務内容」「職場の人間関係」「評価システム」「企業のビジョン・ミッション」「給与・福利厚生」「職場環境」それぞれに対応する形で、対策方法を解説します。

それぞれの従業員に合った業務内容

まずは、それぞれの従業員に合った業務内容を用意することです。業務内容に対する満足度を高めるためには、従業員のスキルを見極め、それに合った業務を割り当てる必要があります。

例えば「この人はコミュニケーションや交渉のスキルが高いから、事務や経理ではなく営業部署に配属しよう」といった人事配置です。ただし本人の希望なども考慮して、単にスキルの高さだけを基準に配置しないようにも注意しましょう。

適材適所の人材配置ができていれば、「自分の能力が正当に評価されている」と感じ、マネジメントに関する満足度も高めやすくなります。

職場のコミュニケーションの活性化

職場の人間関係に対する満足度を高めるには、コミュニケーションの活性化が重要です。

仕事の話に限らず、自由な会話や情報交換が生まれやすい環境をつくるために、オフィス環境や組織体制を工夫する必要があります。例えば特定の座席を設けず、自由に座れる「フリーアドレス」や、気軽に話ができる「カフェスペース」の設置などの取り組みが代表的です。

自社のできる範囲で、コミュニケーションを活性化する方法を探ってみましょう。

適正かつ公平な評価システム

評価に対する満足度を高めてもらうには、適正かつ公平な評価システムを導入する必要があります。

特に昇進や昇給の部分は、従業員のモチベーションにも大きな影響を与えるため、より適正さ・公平さに気をつけなければなりません。評価の根拠が明確になるよう、基準を明確にしましょう。単に成果や能力だけで評価するのではなく、数字には現れない仕事に対する姿勢などを評価する「情意評価」を取り入れることも重要です。

企業のビジョン・ミッションの浸透

企業のビジョンやミッションとして、従業員のモチベーション向上につながるものを提示し、それを浸透させる活動も重要です。

「何のために働くか」というモチベーションにつながるような、価値のあるビジョン・ミッションを掲げることが、従業員満足度を高めるうえでの土台となります。

既に作成されたビジョン・ミッションがあるなら、それを単にホームページ上に示すだけでなく、日々の朝礼など、企業活動のさまざまな場面でビジョン・ミッションが浸透するように促しましょう。経営者やマネジメント層など、従業員の模範となる人がビジョン・ミッションを体現し、行動で示すことも大切です。

給与・福利厚生の充実

給与や福利厚生の充実も欠かせません。従業員の満足度を高めるには、給与の金額だけでなく、いくつかの魅力的な福利厚生制度を用意することがポイントです。

住宅手当や家賃補助といった基本的なものだけでなく、各種優待サービスなど、他社との差別化につながるような魅力的な福利厚生制度を用意できるよう検討しましょう。

「従業員が安定した生活を送れるよう、企業がサポートする」という意識が大切です。

福利厚生を充実化させる具体的な方法については、以下のページもご参照ください。

こんなのあるんだ!福利厚生についてご紹介|種類や導入メリット
GOOD待遇!これがあれば嬉しい!そんな福利厚生一覧
アフターコロナで注目される新福利厚生

快適な職場環境

快適な職場環境を用意することも、従業員満足度の向上に不可欠です。

特に意識したいのが、さまざまな事情を持った人にとって働きやすい環境を用意することです。例えば産休・育休を充実させることで、子育て世代にとっても働きやすい環境を整えられます。

またフレックスタイム制度や在宅勤務制度など、働き方の多様化を支える仕組みも重要です。

オフィスのレイアウト変更や空調の改善、ドリンク類の充実化など、職場環境を快適にするために工夫できる部分はさまざまあるでしょう。

従業員満足度の向上に成功している企業の事例

従業員満足度の向上には、実際にどのような事例があるのか、気になっている方も多いでしょう。ここでは2つの企業を挙げ、それぞれの取り組みを解説します。

オリエンタルランド

オリエンタルランドは、ディズニー・エンタプライゼズ・インクとのライセンス契約によって、ディズニーブランド施設を運営している企業です。

オリエンタルランドでは、「キャスト」と呼ばれる従業員同士が、専用カードにメッセージを書いて称え合う活動を実施しています。

また上司が素晴らしい行動をしたキャストを称える「ファイブスター・プログラム」など、主に従業員のモチベーションを支える取り組みを行なっています。

参照元:企業風土とES(従業員満足) | 従業員への取り組み | 社会 | サステナビリティ情報 | 株式会社オリエンタルランド

セールスフォース・ジャパン

セールスフォース・ジャパンは、営業管理システムなど、ソフトウェア事業を行なっている企業です。GPTWジャパンが実施した『2022年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング』では、堂々の1位を獲得しました。

同社は、従業員の意見を集めてすぐに施策に反映させるなど、「傾聴」の面で高く評価されています。「福利厚生が充実」「仕事に行くことが楽しみ」などの観点から、高い従業員満足度を達成している企業です。

参照元:セールスフォース・ジャパン|働きがいのある会社研究所(GPTWジャパン)

まとめ

従業員満足度を高めることは、従業員だけでなく、企業にもさまざまなメリットをもたらします。離職防止になることはもちろん、「従業員満足度の高い企業」としてのブランディングにもつながり、より効率的に採用活動を進めることができるようになります。

今回の記事で紹介した、6つの構成要素を軸に、従業員満足度を改善するための取り組みを検討してみてください。

弊社トラコムでは、離職防止や人材の効率的な採用方法など、人事にまつわるさまざまなお悩みのコンサルティングサービスを提供しています。従業員満足度を高める方法などについてお悩みなら、ぜひご相談ください。

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