
トラコム社員がお届け!
近年採用市場で注目が集まっている「採用CX」。数多くの企業の選考を受ける中で、いかに求職者がより良い“候補者体験”をするかが重要視され、現在多くの企業が「採用CX」の取り組みに注力しています。
本記事では「採用CX」の概要やメリット、成功させるポイントなどをご紹介!「採用CXを初めて知った」「聞いたことはあるけれどイマイチ理解できていない」「新しい採用手法を試してみたい」…そんな方に向けて詳しく解説します。ぜひ最後までご一読いただき、今後の採用活動にお役立てください!
採用CXの「CX」とは「Candidate Experience」の略。日本語で「候補者体験」を意味します。
求職者が就職活動を進める中で、企業を認知してから入社に至るまで、各フェーズで企業との接点を持ちますよね。そうした接点を通して、企業が候補者を選ぶのと同時に、企業も候補者から選んでもらわなければ採用は成立しません。
求職者と企業との接点の中で、いかに「候補者にとって企業の価値を感じてもらえる体験ができるか」に着目するのが採用CXの基本的な考え方。
つまり採用CXとは、候補者に企業の魅力を感じてもらいファンを増やす取り組みとも言えます。採用CXの取り組みは競合他社との差別化を図り、優秀な人材を獲得するのに有効な手段なのです。
そもそも、なぜ今採用CXが注目を集めているのでしょうか?それは、採用市場を取り巻く3つの背景が起因しています。
少子高齢化による労働人口の減少に伴い、有効求人倍率は上昇を続けています。こうした採用競争の激化により、採用に苦戦している企業も少なくないのではないでしょうか。
昨今の採用市場において、企業は求職者を「選ぶ側」から求職者に「選ばれる側」にシフト。選ばれる企業になるためにも、今まで以上により良い候補者体験の提供が必要になっているのです。
かつて日本において当たり前となっていた終身雇用は、今や崩壊。特に若い世代は転職に抵抗がなく、常により良い条件やステップアップできる職場を求めています。そうした人材の流動化により、これまで採用に苦戦することのなかった大手企業も自社のPRを強化。優秀な人材を確保する有効な手段として、採用CXが注目されているのです。
インターネットの普及により、これまで以上に採用や企業の情報が透明化されています。中でも、リアルな情報が得られる口コミサイトやSNSなどは、求職者にとって企業を選ぶ重要な判断材料のひとつ。実際にSNSによる第三者の候補者体験を見て、入社するかどうかを決める求職者も少なくありません。
企業のリアルな情報がオープンになっているからこそ、採用CXが重視されているのです。
こうした背景を受けて、採用CXを取り入れるメリットを考えてみましょう。
先にもお伝えした通り、今や口コミサイトやSNSでの候補者による発信は求職者にとって重要な情報源。求職者たちは、企業のよりリアルな情報を求めています。
より良い候補者体験(採用CX)を提供することができれば、企業の魅力をリアルな情報として拡散してもらえる可能性があり、企業にとって大きなメリットに。場合によっては、企業の商品やサービスについての好意的な情報が発信される可能性も考えられます。こうした候補者による情報発信は説得力があり、採用を有利に進めることにも繋がるのです。
候補者にとって自社の選考が“価値ある体験”となれば、リピーター獲得の可能性が高まります。採用におけるリピーターとは、他者への自社の紹介や違うタイミングでの再応募のこと。つまり、リピーター=自社に好印象を持っている候補者と言えます。
「選考を受けてよかった」「魅力的な会社だ」と良いイメージを持ってくれるリピーターが増え、入社意欲の高い母集団を形成することができれば、スムーズな採用にも繋がるのです。
採用CX により優れた候補者体験を提供できれば、入社意欲を高めるだけでなく、自社や組織に対する高いエンゲージメントを持って入社してくれる可能性が高まります。そうした意欲の高い人材は、入社後の成長や活躍も十分に期待できますよね。
意欲溢れる優秀な社員を獲得することで、社員同士の競争や意識の向上につながり「優秀な社員の多い企業」といったブランディングを確立することもできるのです。
ここからは、採用CX を進めるうえでのフェーズごとのタッチポイント(企業と候補者との接点)について解説していきます。
求職者に自社を認知してもらうフェーズでは、以下のようなタッチポイントが挙げられます。
まず、この段階で自社に好印象を持ってもらう必要があり、認知のフェーズでは自社の社風や制度、取り組みなどをアピールすることが大切です。
ただし、この時気をつけなければいけないのは、アピール内容が「採用ターゲットにとって魅力となる情報かどうか」ということ。採用ターゲットを明確にしたうえで、ターゲットにとってプラスとなる情報を発信しましょう。
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企業を好意的に認知してもらい応募まで進むと、以下のようなタッチポイントが考えられます。
ここでは、候補者へのレスポンスの速さやフォロー体制の良さが採用CXの鍵となります。有効求人倍率が高まっている今、ほとんどの求職者が複数企業の選考を同時進行しています。
応募や問い合わせの段階で、他社よりも返信が遅くなってしまっては、それだけで印象が悪くなりかねません。スピーディーなレスポンスと丁寧なフォローによって企業の好感度が高まり、その先の選考意欲を高めることにも繋がります。
選考フローのプロセスまで進んだら、いよいよ企業と求職者が対面するフェーズを迎えます。
選考では、企業が求職者を見ているのと同時に求職者も企業を見極めています。面接官の対応に限らず、受付や従業員の対応・社内の雰囲気が、入社意欲を左右する大きな決め手となるため、選考のフェーズでは、丁寧かつスピーディーな対応はもちろん、候補者に寄り添った対応が求められます。
内定・入社における採用CXは、採用成功に向けた重要なフェーズです。
優秀な人材であればあるほど、複数の企業から内定をもらっているものです。その中でいかに自社への入社を決めてもらうかは、丁寧なフォローにかかっています。これまで通りの丁寧でスピーディーな対応に加え、可能な限り好条件の提示が必要な場合もあるでしょう。
また、内定者同士や従業員と交流の場を持ち、不明点や疑問点を解消しておくことも大切です。
採用CXは、採用を有利に進めるための有効な手段である一方、常に見直し・改善していく必要があります。以下3つの手順に沿って構築・改善することで、より良い採用活動に繋がります。
先にもお伝えした通り、いくら良い候補者体験を提供したとしても、採用したいターゲット層とマッチしていなければ、採用成功には結び付きません。そのため、まずは欲しいターゲット層を抽出したうえで、より詳細な採用のペルソナを設計することが大切。
採用のペルソナとは、年齢や性別・学歴・経験・スキルだけでなく、ライフスタイルや趣味、価値観といったより詳細な人物像のことを指します。採用のペルソナをしっかりと洗い出しすることで、候補者が求めている情報や体験が明確になり、採用CXの効果を存分に発揮できるようになるのです。
本資料では、「採用ペルソナ」の重要性やそのメリット、設計の実践方法などをまとめています。
採用ペルソナ設計の注意点や、採用ペルソナの見直し方法についてもご紹介しています。激しい人材獲得競争を勝ち抜くために有益な情報ばかりですので、採用活動にお悩みの企業さまはぜひご活用ください。
ペルソナの洗い出しができたら、選考フローにおける候補者とのタッチポイント(接点)を確認しましょう。
候補者が自社を認知し、応募、選考、内定・入社に至るまで、様々なタッチポイントがありますよね。多くの場合、タッチポイントによって対応する担当者が異なるもの。人事だったり、先輩社員だったり、直属の上司だったりと様々なケースがあります。しかし、担当者によって対応が違ったり情報にズレが生じたりしてしまっては、イメージダウンに繋がりかねません。どのフェーズで誰がどのように候補者と接点を持つのかをしっかりと確認し、対応の統一化をはかることが大切です。
また、タッチポイントの確認ができたら、それぞれが機能を果たせているかどうかの課題を抽出します。採用のペルソナとマッチしていない、あるいは、候補者にとってプラスとなっていないフェーズがあれば、課題として挙げ改善していきましょう。
ステップ2で抽出された課題に対してどのように改善すべきか対策を考えます。例えば、認知の部分で、求人票や採用サイトの内容、そもそものターゲット層の見直しが必要かもしれません。面接での対応に課題を感じるなら、面接担当者の変更や採用マニュアルの見直しによって改善できることもあるのではないでしょうか?
また、社内の人手不足や採用CX に対する知識不足が課題となっているのであれば、外部サービスを導入するのもひとつの手段です。各フェーズにおける様々な課題を検証し、最適な改善策を検討していきましょう。
採用CXを成功させるための3つのポイントをご紹介します。
まずは他社に負けないスピーディーな対応。少しでもレスポンスが遅いと求職者は不安になりますし、「自分のことを考えてくれていないんだな」という印象を与えかねません。
また、他社選考と同時進行している場合、対応の早い企業に入社を決めることも十分に考えられます。辞退を防ぐためにも、問い合わせに対する回答や次のステップへの案内などは、即日対応がベスト。即日での回答が難しい場合も、お問い合わせへのお礼や「〇日までにご連絡します。」といった連絡を入れておくだけでも好印象になりますよ。
スピーディーな対応は、採用CXを成功させるための大きなカギを握ります。
選考の各フェーズで、候補者に丁寧なフィードバックをしていますか?おろそかになりがちなこの取り組みですが、フィードバックの実施は確実に候補者の満足度アップになります。
例えば、面接での評価や今後期待していること、または入社までに身に付けてほしいことや改善してほしいことなど。そうした具体的なフィードバックがあることで、「自分のことをよく考えてくれている」「自分のためにわざわざ丁寧に伝えてくれた」という安心感を与え、信頼関係も深まります。
丁寧なフィードバックがあるかないかによって、候補者の意欲も大きく変わってくるものです。
採用CXの成功に向けては、外部サービスやシステムの導入も有効な手段のひとつです。サービスやシステムを導入することで、必要な工数が減り、より丁寧で質の高い候補者対応が可能になるかもしれませんよ。
採用CXとは、より良い候補者体験を提供し、スムーズな採用成功へと結びつける新しい採用手法の考え方。採用競争が激化する中で、採用CX は有効な手段として注目されています。
SNSなどによる情報のオープン化が進む昨今、“候補者が体験したこと”は、企業イメージに直結する重要な情報源。だからこそ、丁寧かつスピーディーな気持ちの良い候補者体験を提供することが大切なのです。
候補者にとって魅力的な対応やより良い候補者体験について整理することで、上手に採用CX を活用でき、スムーズな採用に近づきますよ。
トラコム株式会社 テクタス事業部では、求人広告の経験を活かし、求職者目線に立った採用CXの構築や改善のお手伝いをしています。また、求人ペルソナの設計や応募者対応・効果的な求人票の作成・運用サポートまで、お客様の抱えていらっしゃる課題やご要望に応じて幅広く支援させていただきます。
「テクタス」には、『テクノロジー+ヒト』という意味が込められています。進化するツールの中から、お客様に合ったものを選び、フィットする使い方をご提案する「人」でありたいという願いから生まれた、トラコムの事業部です。
「新しい採用手法を試してみたいけれど、どうやってはじめたらいいか分からない」「採用CX についてさらに詳しく聞きたい」そのようなお問い合わせもお待ちしています。
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この記事を書いた人
K.YUASA
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2004年中途入社。トラコムで初の産休・育休取得。
リクルート求人営業を10年以上経験し、派遣会社・介護などを担当。
2019年~、テクタス事業部の立ち上げメンバー。
ディレクターとしてホームページ、オウンドメディア制作・運用、採用代行などに携わる。
自らインタビュアーを年間200件しつつ、様々な企業様の記事をディレクション。
WEBライティング能力検定1級を取得し、自分のスキルを常に磨く。
年間1万社以上の取引と採用実績から採用課題の解決につながる、現場のリアルな事例やお役立ち情報を発信しております。
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