
トラコム社員がお届け!
「派遣スタッフの募集でなかなか人が集まらない」「派遣登録者が不足している」「派遣社員の稼働を増やしたい」そんなお悩みを持つ人材紹介・人材派遣会社の方へ。
本記事では、派遣業界の採用支援に多く携わってきた営業から、派遣の募集で応募を集める原稿に必要な情報と、採用効果を高める原稿作成のコツをご紹介します。
派遣業界のマーケットは日々変化しています。まずは派遣業界の最近のトレンドや求職者の志向をみていきましょう。
派遣求人の掲載数は2023年8月と比較して、物流系の求人掲載数が+4164件(108%)増加、製造・化学・食品系の求人掲載数が+1275件(117%)増加、飲食系の求人掲載数が+333件(126%)増加となりました。前月比でみると、全12職種中7職種で求人数が減少となりました。
※参照:【2024年8月度】派遣系主要3媒体・求人レポート/HRog
総務省の労働力調査によると、転職者数は2020年と2021年の2年連続で減少しています。年齢層別の転職者数をみると、60歳以上のシニア層を除き、すべての年齢層で転職者数が減少していることがわかります。
※参照:総務省統計局/労働力調査(詳細集計) 2022年(令和4年)1~3月期平均結果 第1-2表 年齢階級別転職者数及び転職者比率
雇用者数では、非正規社員で働く人の数は、正規社員と比較して減少率が高くなっています。政府の同一労働同一賃金の施策をもってしても、「正規社員として働きたい」という志向を持つ方が多いことがわかります。
※参照:総務省統計局/労働力調査(詳細集計) 2022年(令和4年)1~3月期平均結果 第1-1表 雇用形態別役員を除く雇用者数
Indeedやタウンワーク枠得プラン、Airワーク 採用管理など、企業様が自ら求人原稿を作成する商品も増えてきているため、人材紹介・人材派遣会社様の中には、「原稿に何を書けば良いかわからない」とお悩みの方は多いと思います。
派遣の募集で応募につながる原稿作成の基本的な考え方をご紹介します。
派遣スタッフ募集の求人原稿において重要なこと、それはメリットを”効果的に記載する”ことです。
あくまでも”効果的に記載する”のがポイントで、全てのメリットを記載するわけではありません。メリットとなる要素である「仕事内容」「職場の雰囲気」「給与」「待遇」この4項目の中で、欲しいターゲットにささる項目を特に尖らせて記載することがポイントとなります。
例えば、主婦層がターゲットの場合、「残業で稼げる!月収40万円も可」よりも、「子育てと両立!急な発熱での休みも対応」のメリットのほうが主婦層にはささります。
人材紹介・人材派遣会社様が採用に関して特に悩まれることが、反響について。 大きく分けて、「応募の数」と「応募者の質」のどちらを重視するかです。
応募者の質に関しては、求める人物にピッタリとマッチした方を採用するための原稿作成は、派遣会社の募集では難しいケースが多いです。特にその方の志向や性格まで求めるのは難しいため、あくまで「年齢」や「ペルソナ」を設定し、そのターゲットからの応募数確保を指標とするのが効率的です。
派遣の募集で効果を上げるには、原稿作成の前に適切なターゲット設定が必要です。ターゲティングするうえで必要な考え方と観点についてご紹介します。
ターゲット設定をする際に重要となる、STP(エスティーピー)分析という考え方があります。
S:セグメンテーション(同じような特性を持つ方を集団としてとらえて細分化する)
=求人市場を細分化する
↓
T:ターゲティング(どの市場を狙うべきかを決める)
=案件毎に採用しやすいペルソナを決める
↓
P:ポジショニング(市場内での自社の立ち位置を決める)
=案件毎に訴求点を決める
この観点を踏まえてターゲティングと訴求を行いましょう。
ターゲティングでSTP分析を行う際に必要な6Rという指標があります。
その中でも特に重要な3つの指標について解説します。
1つ目は、Realistic scale(市場規模)です。市場におけるターゲットの数を明確にし、どこを狙いにいくかを考えます。例えば、主婦の割合が圧倒的に少ないエリアに主婦ターゲットの原稿を掲載しても反響がないのは当然のことです。 反対に、シニアが多いエリアにシニア向け原稿を掲載すれば反響は出やすいでしょう。
市場をしっかりと理解しなければ、反響を得やすいターゲットがどこなのかもわかりません。
2つ目は、Reach(到達可能性)です。例えば、「山岳地帯にある家にヨットを販売する営業をした時に、売れるのかどうか」を考えてみてください。ヨットを買う可能性のある顧客は、海がないエリアではほとんどいないと誰もが分かることです。
求人でも同じように「派遣が根付いていないエリア」「農業の仕事しかないエリア」にオフィスワークの求人を出しても、反響を得るのは難しいです。
反響を得られる可能性の高いエリアに、適正な案件を出すことが重要です。
3つ目のRival(競合)は、競合他社を知ることです。同じエリアや同じ職種など、競合となる他社の時給や待遇、条件を把握しましょう。ここを理解・把握したうえで自社の案件の待遇や条件を決めていきます。
弊社ではエリアの相場調査や競合分析なども行っていますので、ご興味をお持ちの方はお気軽にご相談ください。
派遣の募集では、どんな情報を原稿に記載すると効果的なのでしょうか。
おさえておきたい4つの観点をご紹介します。
まずは、実際にどんな人が働いているかについてです。年齢や性格、経験、性別など、自社の既存スタッフに限らず、他社の派遣会社が稼働させているスタッフを含めて把握するのがおすすめです。実際に働いている人や定着している人について掘り下げて把握することで、ターゲット設定が明確になり、そのターゲットへの訴求ができるようになります。
ハード面とは、働く環境や設備についてです。具体的には、「空調完備」「個人ロッカー付」「食堂の昼食が1食〇〇円」などがメリットとして挙げられます。
人によってメリットとなるポイントは異なりますが、原稿内に記載することでデメリットとなることはほとんどないと考えてよいため、ハード面のメリットはできる限り洗い出しましょう。
数字面に関しては、事実に基づいて具体的な数字で表記することがポイントです。「定着率抜群」「女性活躍中」といったワードが入った原稿をよく見かけますが、具体性がなく、求職者にとっては信憑性のない原稿になってしまいます。
「定着率3年間で92%!」や「女性スタッフが全体の87%」など、具体的な数字で記載することで信憑性が増し、求職者からの応募につなげやすい原稿になります。
仕事面に関しても、数字面と同様に具体的に記載することがポイントです。 「具体的に書いているつもりだけど、応募がこない…」という方は、「小学生でもわかるように書く」ということを意識してみてください。
例えば、
NG例⇒専用の○○機を使って部品を溶解。工具や専用の機械を使って部品を取り出し…
OK例⇒3ステップワーク♪ステップ1:マシンに部品をセット!ステップ2:ボタンをポチッ♪ステップ3:商品を手でクルっと包む♪
上記は一例ですが、派遣会社の人はわかる用語でも、特に未経験者は仕事のイメージが付きません。応募動機を削ぐ可能性があるため、擬音を交えながら簡単な表現で記載するのが効果的です。
派遣の募集で各ターゲットにはどのような訴求方法が有効なのか、よくあるターゲット別に解説します。
主婦が最も気にするポイントは、子育てとの両立ができるかどうかです。子育てとの両立を大前提としたうえで、さらに主婦を年代ごとに分け、それぞれの訴求点を変えるのがおすすめです。
①がターゲットであれば子育てとの両立にフォーカスした原稿に(急な休み対応もOKなど)
③がターゲットであれば、子育て卒業後のセカンドライフとして、働くやりがいやブランクの心配を解消する原稿内容が効果的です。
シニアは、転職者の数が増えている層であり、採用ターゲットにしたときに最も反響が返ってきやすい層と言えます。シニアをターゲットにした場合のポイントは2つ。
①シニアでもできる仕事なのか。
体力といった不安要素をカバーできる仕事かどうかを明記することです。
②シニア「だからこそ」できる仕事かどうか。
例えば、現場の指揮官として皆をまとめる役割の仕事など、シニアだからこそできる仕事だと魅力的に思ってもらいやすくなります。
フリーターはフルタイムで働ける方が多いことから、人材紹介・派遣会社の中では最も採用ニーズが高いターゲットです。
フリーターの中でも、複数の仕事をかけもつパラレルワーカー(Wワーカー)と、正社員と同じような働き方をしているフルタイムワーカーが存在します。
前者は、いろんな仕事を通して学びたい、1社に依存したくない、スキマ時間で働きたい等、貴社での仕事以外にもやりたいことがある方になるため、シフトの融通を訴求するのがベストです。
後者は、生活の基盤を貴社だけでつくることになるため、競合と比べてある程度給料が良いこと、仕事内容に面白さを感じられること、プライベートと両立できることを訴求するのが効果的です。
外国人は今後も労働人口として増えてくるであろうターゲットになります。
外国人を採用するメリットは、日本人と価値観が違う面もあるため、日本人が嫌がる仕事を率先してやってくれたり、持ち前のコミュニケーション能力を活かして会社の雰囲気をよくしてくれたりするという点が挙げられます。
採用するうえで課題となるのが、「言語の壁」と「文化の違い」です。
この2点を解消するために、日本語が堪能な社歴の長い外国人スタッフをサポート役として置いたり、会社全体でサポートすることをアピールしたりするのが良いでしょう。
実際にどんな原稿にすると応募が集まりやすいのか、派遣の募集で多い且つ反響が出にくい案件の原稿改善例を2つご紹介します。
組立と聞くと、工具を使ったり重い物を持ったりするイメージが強く、実際の仕事内容をそのまま記載すると全く反響がない、というケースが多いです。
そのような組立の仕事内容を「プラモデルのようなお仕事」と、ワクワクするような原稿表記に変えたところ、応募数が5倍になりました。
フォークリフトの募集は、多くの人材紹介・派遣会社が求人を出しています。
そんなフォークリフトの原稿で多いのが、給料を推したもの。しかし、フォークリフトの平均時給は高騰化しており、余程でない限り、他社との差別化にはなりません。
そこで、求職者に興味を持ってもらいやすいのが、フォークリフトの「乗車率」です。フォークリフトを生業としている方は、フォークリフトのみ運転したいという方が多く、軽作業などの他の仕事を好みません。
この特徴を踏まえ、「フォークリフト乗りっぱなし!乗車率100%!」といった表記を行ったところ、10倍近く応募数がアップした事例もございます。
弊社トラコムでタウンワークなどの求人媒体の掲載を行った千葉の派遣会社様では、上記の工夫を元に、原稿の改善や効果分析、お客様向けにターゲティングの勉強会等を行って募集したところ、応募単価が1万円→4,000円~5,000円と約半分になりました。
また、以前はターゲットが曖昧だったこともあり、市場調査を行ったうえでターゲットを見直したところ、応募からの採用率が1.7倍に向上しました。
本書では、派遣会社様の採用成功事例をまとめています。派遣スタッフ募集の効果を上げるポイントもご紹介しています。無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
弊社トラコムでは、競合分析や原稿に入れるキーワード検索量の調査といったご掲載前の市場調査と、案件ごとに閲覧や応募のデータを蓄積・分析し、原稿内容やプランを最適化することで、スピーディーな効果改善を実現しています。
また、東京・千葉・愛知・大阪・京都・福岡と全国に6拠点展開しているため、全国各地の地場情報に強みがあり、エリアや職種ごとに細分化した応募相場や給与相場の提供が可能です。
1つでも当てはまる方は、まずはご相談くださいませ。
採用効果を高める派遣原稿の作り方・派遣募集の採用ノウハウに関する勉強会を、お客様向けに行っています。
「新人のコーディネーターが多く、効果を上げる方法をわかっていない」「社内に派遣募集の採用ノウハウが溜まっていかない」 このようなお悩みがございましたら、お客様の社内向けに勉強会を開催させていただくことも可能です。少しでもご興味がございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
K.ONO
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2017年に新卒入社し千葉支社に配属後、
習志野・八千代・船橋エリアを担当。
派遣会社を中心とし、介護・飲食・物流業界を多く担当。
2018年度上期に社内敢闘賞を受賞。
現在は新卒の育成担当も行っている。
年間1万社以上の取引と採用実績から採用課題の解決につながる、現場のリアルな事例やお役立ち情報を発信しております。
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